奇数の猫決め打ちは遅らせるのが最適とは限らなかった。

こんにちは、Sirです。

今回は12a猫における決め打ちタイミングについて、応用編の記事となります。

 

 

猫の決め打ちタイミングのおさらい

まずは基礎の基礎、猫の決め打ちタイミングについておさらいをしていきましょう。

基本的に、以下の原則で決め打ち日を設定することが望ましいと考えられています。

 

  • 奇数の場合:できるだけ遅く猫決め打ち
  • 偶数の場合:できるだけ早く猫決め打ち

 

このようになる理由は、真猫吊りの場合の人外道連れ率が関係しています。

この点は他ブログ等にて解説されてる方がいますので、

今回は触れる程度にしておきます。

 

 

猫決め打ちタイミングをもっと考えてみる。

※以下、同数票は「再投票なし」「ランダム処刑」の条件にて確率を記述。

『村村猫狼狼』この5人盤面において猫が2人出た場合の進行を考えてみましょう。

 

進行役がいる場合。

◇『村猫狼狼』進行役がいる場合。

生存者:①②③④⑤

霊能CO:①

猫又CO:②③

村人CO:④⑤

 

この場合は単純ですね。

 

猫決め打ちから入る場合は、

真猫吊りの場合は即村負けとなるので、

村陣営の勝率は 1/2×1/2=1/4(25%)となります。

「1/2の猫決め打ち勝利×1/2の灰決め打ち勝利」の場合のみ村勝利。

 

灰決め打ちから入る場合は、3人日に猫決め打ちとなります。

3人日に猫決め打ちをした際に人狼が道連れとなる場合も村勝ちとなるので、

村陣営の勝率は、1/2×2/3=1/3(33.33%)となります。

 

 

これは生存人狼数が1の場合においても、

以下のようになるため、猫決め打ちを後回しにするのが最適になります。

  • 5人日に猫決め打ち→人狼道連れ率は1/4村道連れの場合は村敗北)
  • 3人日に猫決め打ち→人狼道連れ率は1/2

 

 

いずれの場合においても、

奇数で進行役がいる場合は、猫決め打ちは後回しにしたほうがであると言えます。

 

 

進行役がいない場合。

◇『村猫狼狼』進行役がいない場合。

生存者:①②③④⑤

猫又CO:②③

村人CO:①④⑤

 

この記事の本題となります。

まずは単純に5人日の吊り手順とその確率を整理してみましょう。

 

 

5人日に人狼が吊れる確率。

猫吊りから入る場合(身内票なし)

◇『村猫狼狼』進行役がいない場合。

生存者:①②③④⑤

猫又CO:②③

村人CO:①④⑤

 

村陣営:③④⑤

狼陣営:①②

 

猫決め打ちから入る場合は、②③のいずれかに投票するということになります。

まず、狼が身内票を投票しない場合、確定している投票先は以下の通りになります。

 

◇②③の猫決め打ちで確定している投票先(身内切り無し)

・②(狼)←➂ 1票

・➂(村)←➀② 2票

 

この日に狼を吊るためには、灰村の④⑤が➂に投票しなければいけません。

 

したがって、

5人日の猫決め打ちで人狼が吊れる確率(狼身内票なし)は、

1/2×1/2=1/4であると言うことができます。

④が狼騙り猫の②に投票する確率×⑤が狼騙り猫の②に投票する確率。

 

この日に人狼が処刑することができた場合は、

一真猫に投じた人物が人狼となるため、基本的には狼敗勢であると言えます。

猫吊りから入る場合の村勝率は、1/4(25%)であると言って差し支えないでしょう。

 

 

猫吊りから入る場合(身内票あり)

また、狼が身内票を投じる場合も考えてみましょう。

確定している投票先は以下の通りになります。

 

◇②③の猫決め打ちで確定している投票先(身内切りあり)

・②(狼)←➀➂ 2票

・➂(村)←② 1票

 

この日に狼が処刑されるためには、

②にあと1票入れば良いのですが、

②が1票のみ入った場合(計3票で処刑される場合)は、

真猫に唯一投票している灰村が狼目となり、村敗勢ということになります。

 

したがって、灰にいる村陣営は2人とも偽猫に投票する必要があります。

つまり、この場合のおおよその村勝率は、以下を乗算したものになります。

  • 5人日に灰村が2人とも偽猫に投票する確率 1/2×1/2=1/4
  • 3人日(灰狼+猫の盤面)にて、真猫が狼に投票する確率 1/2

 

すなわち、

5人日の猫決め打ち(狼身内票あり) → 灰決め打ちにおける村陣営の勝率は、

1/4×1/2=1/8(12.5%)であると言うことができます。

 

 

灰吊りから入る場合(身内票なし-組織票なし)

次に灰吊りから入る場合を考えていきましょう。

灰吊りから入る場合の票分岐は、以下の3通りとなります。

 

  • 身内票なし-組織票なし
  • 身内票なし-組織票あり
  • 身内票あり-組織票なし

 

まずは『身内票なし-組織票なし』の分岐から考えていきましょう。

◇➀④⑤の灰ランでの投票先(身内票なし-組織票なし)

猫又CO:②(狼)→④ …0票

猫又CO:➂(村)→➀or④or⑤ …0票

村人CO:➀(狼)→⑤ …0票

村人CO:④(村)→➀or⑤ …1票

村人CO:⑤(村)→➀or④ …1票

※右に書かれている票数は、暫定的に確定している票数のみカウント。

 

この盤面において、➀には2票以上の票が必要となります。

 

猫又の➂が➀に投票する場合は、3人日の猫決め打ちは村勝勢となります。

➂が➀に投票せず、村人の④⑤が➀に投票した場合は村狼均衡となります。

 

以上の条件を踏まえて、それぞれの分岐を考えてみましょう。

 

◇『身内票なし-組織票なし』の投票先分岐

投票先 勝敗(村勝率)
➀村CO-狼 ②-猫CO-狼 ➂-猫CO-村 ④村CO-村 ⑤村CO-村 同数票は「再投票なし」「ランダム処刑」とする。
村負け
1/2(票情報で3人日は村優勢)
1/2(票情報で3人日は村優勢)
狼吊り→村優勢
村負け
村負け
村負け
3人日の狼吊り率1/2×最終日の狼死亡率2/3=村勝率1/3
村負け
村負け
村負け
3人日の狼吊り率1/2×最終日の狼死亡率2/3=村勝率1/3
村負け
1/2(票情報で3人日は村優勢)
1/2(票情報で3人日は村優勢)
狼吊り→村優勢
村負け
村負け
村負け
3人日の狼吊り率1/2×最終日の狼死亡率2/3=村勝率1/3
村負け
村負け
村負け
3人日の狼吊り率1/2×最終日の狼死亡率2/3=村勝率1/3

 

以上の図表を踏まえて、

『身内票なし-組織票なし』分岐における村勝率は以下のように求められます。

 

◇『身内票なし-組織票なし』分岐における村勝率

  村勝率加算
(発生率×勝率)
村負分岐 14 0%
1/2分岐 4 8.33%
1/3分岐 4 5.56%
村勝分岐 2 8.33%
合計 24 22.22%

 

『身内票なし-組織票なし』分岐における村勝率は、

約22.22%であると言うことができます。

 

 

灰吊りから入る場合(身内票なし-組織票あり)

◇➀④⑤の灰ランでの投票先(身内票なし-組織票あり)

猫又CO:②(狼)→④ …0票

猫又CO:➂(村)→➀or④or⑤ …0票

村人CO:➀(狼)→④ …0票

村人CO:④(村)→➀or⑤ …2票

村人CO:⑤(村)→➀or④ …0票

※右に書かれている票数は、暫定的に確定している票数のみカウント。

 

次は狼陣営が組織票を行う場合の分岐になります。

この場合は、村陣営は➀に対して2票以上の票を集める必要があります。

 

分岐は以下の通りとなります。

 

◇『身内票なし-組織票あり』の投票先分岐

投票先 勝敗(村勝率)
➀村CO-狼 ②-猫CO-狼 ➂-猫CO-村 ④村CO-村 ⑤村CO-村 同数票は「再投票なし」「ランダム処刑」とする。
村負け
村負け
村負け
狼吊り→村優勢
村負け
村負け
村負け
村負け
村負け
村負け
村負け
3人日の狼吊り率1/2×最終日の狼死亡率2/3=村勝率1/3
村負け
村負け
村負け
狼吊り→村優勢
村負け
村負け
村負け
3人日の狼吊り率1/2×最終日の狼死亡率2/3=村勝率1/3
村負け
村負け
村負け
村負け

 

以上の図表を前段と同様踏まえると、

『身内票なし-組織票あり』分岐における村勝率は以下のように求められます。

 

◇『身内票なし-組織票あり』分岐における村勝率

  村勝率加算
(発生率×勝率)
村負分岐 20 0%
1/3分岐 2 2.78%
村勝分岐 2 8.33%
合計 24 11.11%

 

『身内票なし-組織票あり』分岐における村勝率は、

約11.11%であると言うことができます。

 

灰吊りから入る場合(身内票あり-組織票なし)

◇➀④⑤の灰ランでの投票先(身内票あり-組織票なし)

猫又CO:②(狼)→➀ …0票

猫又CO:➂(村)→➀or④or⑤ …0票

村人CO:➀(狼)→④ …1票

村人CO:④(村)→➀or⑤ …1票

村人CO:⑤(村)→➀or④ …0票

※右に書かれている票数は、暫定的に確定している票数のみカウント。

 

この場合は、単純に狼が処刑されれば良いだけではなく、

猫又の➂が➀に投票できていなければ、票情報にて決め打ち不利となります。

3人日に決め打ち負けする場合の村勝率は猫の狼道連れがあるため、1/2となります。

 

以上を踏まえた投票分岐は以下の通りとなります。

 

◇『身内票あり-組織票なし』の投票先分岐

投票先 勝敗(村勝率)
➀村CO-狼 ②-猫CO-狼 ➂-猫CO-村 ④村CO-村 ⑤村CO-村 同数票は「再投票なし」「ランダム処刑」とする。
1/2で狼吊りで狼吊りとなる。
3人日の狼吊り率1/2×最終日の狼死亡率2/3=村勝率1/3
狼吊り→猫決め打ち。
最終日の狼死亡率(村勝率)2/3
狼吊り→猫決め打ち。
最終日の狼死亡率(村勝率)2/3
狼吊り→猫決め打ち。
最終日の狼死亡率(村勝率)2/3
村負け
村負け
1/2で狼吊りとなるが狼吊りの場合でも票情報によって村(猫)劣勢。
3人日の狼吊り率1/2×最終日の猫狼道連れ率1/2=村勝率1/4
狼吊りとなるが狼吊りの場合でも票情報によって村(猫)劣勢。
最終日の猫→狼道連れ率(村勝率)1/2
村負け
1/2で狼吊りとなるが狼吊りの場合でも票情報によって村(猫)劣勢。
3人日の狼吊り率1/2×最終日の猫狼道連れ率1/2=村勝率1/4
1/2で狼吊りとなるが狼吊りの場合でも票情報によって村(猫)劣勢。
3人日の狼吊り率1/2×最終日の猫狼道連れ率1/2=村勝率1/4
狼吊りとなるが狼吊りの場合でも票情報によって村(猫)劣勢。
最終日の猫→狼道連れ率(村勝率)1/2
1/2で狼吊りで狼吊りとなる。
3人日の狼吊り率1/2×最終日の狼死亡率2/3=村勝率1/3
狼吊り→猫決め打ち。
最終日の狼死亡率(村勝率)2/3
狼吊り→猫決め打ち。
最終日の狼死亡率(村勝率)2/3
狼吊り→猫決め打ち。
最終日の狼死亡率(村勝率)2/3
村負け
1/2で狼吊りとなるが狼吊りの場合でも票情報によって村(猫)劣勢。
3人日の狼吊り率1/2×最終日の猫狼道連れ率1/2=村勝率1/4
1/2で狼吊りとなるが狼吊りの場合でも票情報によって村(猫)劣勢。
3人日の狼吊り率1/2×最終日の猫狼道連れ率1/2=村勝率1/4
狼吊りとなるが狼吊りの場合でも票情報によって村(猫)劣勢。
最終日の猫→狼道連れ率(村勝率)1/2
村負け
1/2で狼吊りとなるが狼吊りの場合でも票情報によって村(猫)劣勢。
3人日の狼吊り率1/2×最終日の猫狼道連れ率1/2=村勝率1/4
村負け
狼吊りとなるが狼吊りの場合でも票情報によって村(猫)劣勢。
最終日の猫→狼道連れ率(村勝率)1/2

 

以上の図表を前段と同様踏まえ、

『身内票あり-組織票なし』分岐における村勝率は以下のように求められます。

 

◇『身内票なし-組織票あり』分岐における村勝率

  村勝率加算
(発生率×勝率)
村負分岐 6 0%
1/2分岐 4 8.33%
1/3分岐 2 2.78%
2/3分岐 6 16.67%
1/4分岐 6 6.25%
合計 24 34.03%

 

『身内票あり-組織票なし』分岐における村勝率は、

約34.04%であると言うことができます。

 

 

【確率まとめ】猫決め打ちは必ずしも遅くするのが最適な訳ではない。

以下に、これまでの確率についてまとめておきます。

※「再投票なし」の場合の確率計算となっています。

 

  • 猫吊りから入る場合(身内票なし)1/4(25%)
  • 猫吊りから入る場合(身内票あり)1/8(12.5%)
  • 灰吊りから入る場合(身内票なし-組織票なし)約22.22%
  • 灰吊りから入る場合(身内票なし-組織票あり)約11.11%
  • 灰吊りから入る場合(身内票あり-組織票なし)約34.04%

 

狼が投票最適を選択した場合は、

5人日猫決め打ちのほうが僅かに村有利と言うことができますね。

これは従来の「猫決め打ちは遅いほうが良い」という理論の例外と言えます。

 

ただし注意点として、

「何W生存していると考えるか?」が点は進行選択の分岐点となります。

 

これは「灰灰灰猫猫」の5人盤面で人狼の生存数が1の場合は、

当然、猫決め打ちは遅いほうが真猫又吊りの際の人外道連れ率が高くなるからです。

 

人狼が投票最適を選択する場合は、

人狼の生存数が2だと考えられるのであれば猫決め打ち、

人狼の生存数が1だと考えられるのであれば灰吊り、

という結論を出すことができるのではないでしょうか。

 

 

【結論】狼が「村を頓死に追い詰める手」が存在する。

ここまで確率をまとめてきましたが、

実はこの盤面、狼が村を頓死に導く手筋が存在しています。

 

この盤面の結論は、

村に見落とされやすい頓死筋があり、

更に、これに嵌らず村が正しい進行を採ったとしても狼勝勢である、と言えます。

 

かの12a猫の王と言えばこの方、

Nulさんによって、この盤面で狼が村を詰めれる頓死筋の解説が行われています。

かつては長期人狼王の称号も獲得していた程の実力者です。

 

こちらの棋力判定問題集のNo.31~35の解説編にて、

今回の記事に関連した問題・解答が収録されています。

note.com

 

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こちらの棋力判定問題集では、

12a猫に関する丁寧な解説が行われており、

初心者から上級者まで、一度は必ず読んでおきたい問題集であると言えます。

 

問題集の特徴として言えるのは、その「網羅性の高さ」と言えるでしょう。

この問題集1つで、a猫に関する手筋ほとんどの「答え」が網羅されています。

 

費用対効果の観点からも、値段以上の価値があることには間違いないでしょう。

 

ちなみにですが、解答編40問のマガジン購入(セット購入)の場合は1800円です。

この先10時間以上人狼をするのであれば、1時間あたり180円以下の課金という計算になります。

この先10時間以上、ゲーム中に「答え」を知っていられるというバフが得られると考えるのであれば、

中高生のお財布事情からしても、悪くはない買い物だと言えるのではないでしょうか。

 

今回の盤面に関する手筋に関する解説も収録されてますので、

この手筋について興味がある方はぜひ購入し、確認してみてくださいね。

 

 

【1,進行の基本】―「ズルく」脱初心者を目指してみよう。

本記事は脱初心者シリーズの1話です。

 

↓シリーズ全体の目次はこちらから↓

【0,概要と目次】―「ズルく」脱初心者を目指してみよう。 - 白の人狼日記

 

この記事の目次

 

進行「基本のキ」

進行の基本、

それは「占い師を保護しながら縄余裕がなくなったら決め打ち」です。

 

10aや11Aの場合は占いロラから入る場合もありますが、基本はこの考え方です。

 

 

この進行が基本となる理由は、占い師が他役職よりも強い役職であるためです。

生存者の白黒を判定できる能力は、このゲームにおいて非常に優れた能力です。

 

縄余裕があるうちに、占い師の情報(白結果、黒結果)を増やして、

縄余裕がなくなったら偽占い師を吊るす、これが進行の基本となります。

 

縄余裕=合計吊り数−人外数。

例えば、11Aの場合は吊り回数は4回、人外数は3人なので縄余裕は1となります。

 

多くの村において、

初日に1回のグレー吊りを挟み → 2日目に占決め打ち、

という進行を採用するのは、この進行論の基本が理由となっています。

 

 

当然、占い師の占い結果が増えれば真占い師の判断材料も増えます。

序盤に占決め打ちするよりも、

終盤に占決め打ちした方が真偽正答率は上がりやすいということも言えるでしょう。

 

 

【例題】基本から標準進行を考えてみよう。

基本に基づいて、次のような盤面での進行解を考えてみましょう。

 

 

◇例題◇

配役11A(村4占霊狩狼2狂+初日犠牲者)の配役にて、以下の盤面になりました。

基本に基づいて、この盤面での望ましい吊りの仕方を選択してみましょう。

 

 生存者:①②③④⑤⑥⑦⑧⑨⑩(計10名)

 占いCO:①→②白

 占いCO:②→➀白

 霊能CO:③

 狩人CO:④

 狩人CO:⑤

 グレー:⑥⑦⑧⑨⑩

 

※今回の場合は、初日犠牲者の役職は「村人」固定とします。

※また、狩人COの④と⑤の発言には大きな差はないものとします。

 

<選択肢>

  • (1)グレラン
  • (2)占い決め打ち
  • (3)狩人決め打ち

 

 

解答と解説

「(1)グレラン」を正答とします。

初日の占い結果がお互いに対抗に刺さっているためグレーが通常よりも広く、

特に、占い師の占い結果の情報が、灰を狭める上で重要となるためです。

 

これに加えて、各狩人COの④⑤に対して、護衛指示を行えるとより好ましいですね。

基本的な護衛指示の仕方としては以下の形が取り上げられます。

 

  • 狩人CO:④ → ➀or②の占いCOを護衛する。
  • 狩人CO:⑤ → ➂の霊能COを護衛する。

 

この形は、

狼視点、いずれの役職も「噛みにくい」盤面にすることができるため頻出となります。

 

占い決め打ちの日まで、

全役職の生存が現実的に可能であることが、

この護衛指示の利点であると言えるでしょう。

 

実際のゲームでは、

例えば➀と②の占い真偽の開き具合によって、➀のみに護衛をいれたりなど・・・

実践ならではの対応が求められることは留意しておいてくださいね。

 

 

「(2)占い決め打ち」は明確な間違いと言えます。

  • 占い決め打ちに持っていく進行の基本に反している点、
  • ➀と②が相互にのため、最大でも狂人しか吊ることができない点、

これらの点により、最も望ましくない吊りであると言えるでしょう。

 

特に偶数進行の場合は狂人は吊らないことが望ましいとされます。

理由は、吊り回数の消費が勿体ないという点、

    最悪でもRPPにしかならないという点などです。

 

※奇数進行:昼時間の生存者数が奇数での進行

※偶数進行:昼時間の生存者数が偶数での進行

 

 

「(3)狩人決め打ち」も、不正解としています。

理由は、狩人は占いを護衛することができるためです。

= 狩人を生存させることは、占いを生存させることに繋がるためですね。

 

特にこの進行を選択したとき、

「真狩人吊り→真占い噛み」という展開になった際には、

 

グレーに関する情報がない盤面で、真占いが死亡してしまっているという、

村にとって絶望的状況に陥るため、非常に致命的であると言えるでしょう。

このような理由で「(3)狩人決め打ち」は不正解となります。

 

 

<中級者向け補足>

 

初日だけを考えると、

⑥⑦⑧⑨⑩の1/5で狼が吊れるグレランよりも、

④⑤の1/2で狼が吊れる狩人決め打ちのほうが、優れていると感じるかもしれません。

 

 

しかし、グレラン→占い決め打ちの盤面において、

この「占い決め打ち」には「狩人決め打ち」が、内包されていると言えます。

 

真占いの決め打ちに成功した際には、護衛先は実質的に真占いの1択となるため、

狩人CO自体を狼の負担にすることができるわけです。

 

 

占い師が生存し続ければ、狩人に占いを充てることも現実的に可能ですよね。

そのため、

「占決め打ち」は「狩決め打ち」を実質的に内包していると言うことができます。

 

 

このような理由において、今回の場合においては、

グレランを行うのがより効率的な進行だと言えるわけです。

 

 

まとめ

「霊ロラ」という進行、

「グレランでは経費吊りをする」という考え方、

 

このような言動に関しても、

占い決め打ちを目指す進行論の基本から来ているものであると言うことができます。

 

霊ロラの場合は、霊ロラによって占い結果の情報追加と狩人保護を同時に行う、

経費吊りの場合は、生存意欲がないプレイヤーを非狩人と見立てて吊るわけです。

 

 

「占い師を保護しながら縄余裕がなくなったら決め打ち」という考え方は、

多くの進行の基本となっているため、ぜひ覚えておきましょう。

 

 

【0,概要と目次】―「ズルく」脱初心者を目指してみよう。

「脱初心者」シリーズの手引き。

本記事は、

合計〇本からなる「ズルく脱初心者を目指してみよう」シリーズの1記事目とします。

 

 

・対象となるプレイヤーの目安

主に初心者村を中心に活動する層に向けた初心者向けの記事です。

「3行以上の長文を出したことがない」レベルをイメージしてください。

 

 

・記事のテーマ

この記事のテーマは、

「楽しさを損なわずに」ガチ勢の人狼に参加しようというものです。

 

これまでの「苦痛感を伴ってでも真剣に人狼をするべき」という価値観の打破、

 

初心者が「楽しく」「気楽に」

ガチ勢を中心とする層の人狼に参加できるようになることを目指しています。

 

初心者の立場としても人狼ゲームの嗜み方として、

「初心者」としての楽しみ方をするだけではなく、

「ガチ勢」としての楽しみ方も味わえるようになったほうが、

ゲームの幅が広がり、娯楽としての質が高まることになると思います。

 

そのような訳をもちまして、

初心者の方々が「ちょっと怖いな・・・」と思う「ガチ勢」の遊び方、

ガチ勢の世界観に足を踏み出すことをサポートできる記事を執筆することにしました。

 

 

「ズルく脱初心者シリーズ」の目次。

  • 0,概要と目次(本記事)
  • 1,進行の基本
  • 2,現在の風潮を知ろう(執筆中)
  • 3,発言、考察の基本(執筆中)
  • 4,初心者とガチ勢の違いを定義する(執筆中)
  • 5,考察の型を有効活用しよう。(執筆中)

 

「ズルく脱初心者」シリーズは、以上の5本+1本から構成する予定です。

順次執筆していくので待っていただけると幸いです。

 

 

「ジーニアス」の世界を理解する。

ジーニアス」とは。

 

ジーニアス
すべてのスキルを凌駕し、理論や統計など一切通用しない、孤高の存在。
しかしその本質は数手先を読む能力が秀でている事であり、全ての可能性を瞬時に判断出来、独自の勝利ルートを導き出せる。万人に理解されようとはしていないが、理解しようと思えばその深さに驚くこともある。

cogito, ergo sum 人狼プレーヤー、スキル一覧

 

 

ひと昔前に流行した「人狼プレイヤーのスキル」

その中でひと際目を引く「ジーニアス」というプレイスタイルについて、

このプレイスタイルが、人狼ゲームにおける強者の条件とも言われることもしばしば。

 

その本質は「数手先を読む能力が秀でていること」と言われますが、

これをより具体的に言うのであれば、

「未来の盤面で自分が有利を取れるようにプレイすること」とも言えるでしょう。

 

今回はそんな「ジーニアス」の世界観について、

身近なグレラン問題と関連させて、その価値観を考えてみましょう。

 

  • ジーニアス」とは。
  • グレランは「黒目吊り」「経費吊り」だけではない。
    • 投票先を推測する。
      • A:上級者、発言力が高く、進行理解度は低い。発言数は8。
      • B:中級者、進行理解度が高く、発言力は低い。発言数は6
      • C:初級者、進行理解度が高いこと=村目と考える傾向がある。発言数は3。
      • D:初~中級者、発言力があること=村目と考える傾向がある。発言数は4。
      • まとめ
    • ジーニアス」はどこへ投票するのか?
      • ◆D吊り→B噛みの場合
      • ◆D吊り→C噛みの場合
      • ◆D吊り→「あなた」噛みの場合
    • 村人理論を越える立ち回りが「ジーニアス」である。
  • ジーニアス」の前提となるのは「ログ読み」。

 

 

グレランは「黒目吊り」「経費吊り」だけではない。

例えば、村村村村狼(初日犠牲者無)の配役で、

自分+ABCD、合計で5人の参加者がいたとします。

 

 

<例題>

あなたは村人です。

初日の話し合いの結果、以下のような分析ができました。

  • A:上級者、発言力が高く、進行理解度は低い。発言数は8。
  • B:中級者、進行理解度が高く、発言力は低い。発言数は6。
  • C:初級者、進行理解度が高いこと=村目と考える傾向がある。発言数は3。
  • D:初~中級者、発言力があること=村目と考える傾向がある。発言数は4。

 

このような盤面で、あなたはAが人狼であると考えています。

今日、あなたが投票するべきなのは誰でしょうか?

あなたはBと役割が被っているプレイヤーであると考えてください。

 

 

村人に”あるべき”動き方の考えとして、

よく見られるのは「素直に狼目へ投票する」「寡黙目へ投票する」ということ。

 

つまり、今回の例題においては、

村人の役割理論上、

「AやCに投票すること」が最適であると考えるひとが実戦では多いと思います。

このような考え方にもメリットは存在しますしね。

 

 

しかし、このような盤面でこそ

「自分が未来の盤面で有利を取るには?」と考えを巡らせるのが

ジーニアスの立ち回りであると言えます。

 

 

結論から言うと、

今回の問題において、AやCに投票するのは不正解となりますが、

 

ここからはこの盤面において、

「自分が未来の盤面で有利を取るには?」を具体的に考えるため、

各自の投票先やスケールを立ててみましょう。

 

 

投票先を推測する。

前提として以下の条件を設定します。

  • 「素直に狼目へ投票する」「寡黙目へ投票する」というのを、
    自分以外の参加者が持つ基本的な考え方とします。

  • 「進行理解が高いこと=村目」は、
    裏を返して「進行理解が低いこと=狼目」も成立すると考えます。

 

 

それでは実際に、1人ずつ投票先を推測してみましょう。

 

 

  • A:上級者、発言力が高く、進行理解度は低い。発言数は8。

初心者が混ざっている部屋において、

「上級者で」「発言数8のA」と

「中級者で」「発言数6のB」の2人が吊られることは、滅多にないと言えます。

 

(これは若干強引な推測ではありますが、)

「発言力が強いプレイヤー」は「発言力の高さこそが村目」として重視するがため、

このプレイスタイルを確立しているのではないか、という筋を立てます。

 

このような憶測において、

AにとってDは親和性は高く、

より村目に見やすい立ち位置にいると言うことができるのではないでしょうか。

 

以上の点において、Aの投票先はC>D=Bであると推測することができます。

(Dは初級者、Bは中級者ですので、この点を加味しスケールをD=Bとしてます。)

 

 

  • B:中級者、進行理解度が高く、発言力は低い。発言数は6

前段と同様の理由にて、

B視点もAの吊り優先度は低いと言うことができます。

(初心者部屋において、上級者の吊り優先度は低くなる。)

 

また、進行理解を村目の軸に据えているCと、

進行理解が高い特性を持つBは相性が良いと言って問題ないでしょう。

 

このような点において、Bの投票先は、D>A≧Cになります。

 

 

  • C:初級者、進行理解度が高いこと=村目と考える傾向がある。発言数は3。

AとBの吊り優先度は低くなります。

 

Dとの村目に関する考え方の相性についても、

発言力を重視するDと進行理解を重視するCの相性は良いとは言えません。

 

したがって、Cの投票先はD>A>Bと考えて問題ないでしょう。

(Aは発言力重視、Bは進行理解重視なので、

 CとBは相性が良いためにこの順番となる。)

 

 

  • D:初~中級者、発言力があること=村目と考える傾向がある。発言数は4。

Cと同様に理由にて、C>B>Aと考えることにします。

・AとBは初心者ではないため吊り優先度は低くなる。

・CとDの村目に関する価値観が一致している訳ではないので、CがGS最上位になる。

・D目線は発言力を重視するプレイヤーなので、Aとの相性が良い。よってB>A。

 

 

まとめ

以上の推測を整理すると、以下の通りになります。

<投票先と票数>

  • A(0票):→Cへ投票
  • B(0票):→Dへ投票
  • C(2票):→Dへ投票
  • D(2票):→Cへ投票
  • あなた→?

この盤面では、

あなたがAへ投票を行っても、Aを吊るすことができないこと分かりますね。

 

 

ジーニアス」はどこへ投票するのか?

あなたが人狼目だと考えているのは「A」ですが、

先程の推測によって、

この盤面では、「A」に投票しても吊ることができないことが判明しました。

 

<投票先と票数>【投票例】

  • A(1票):→Cへ投票
  • B(0票):→Dへ投票
  • C(2票):→Dへ投票
  • D(2票):→Cへ投票
  • あなた(0票):→Aへ投票

 

この盤面でAに投票したとしても、

CまたはDからのランダム処刑となってしまうためです。

 

 

ここで、結論を言ってしまうと、

あなたが本日、投票するべき先はDとなります。

 

現実的に「あなた」が投票結果に影響を与えることができる投票先は、

「C」と「D」の二択であり、

 

CとDの投票先推測を振り返れば、

次の日に以降に「A」に投票する可能性が高いのは「C」であることが分かるためです。

Aと村目価値の相性の良いDを残すことは、「A」吊りが絶望的になることを意味してしまいます。

 

 

<C吊り・B噛みで続いた場合の投票先>

  • A(1票):→あなたへ投票
  • D(0票):→あなたへ投票
  • あなた(2票):→Aへ投票

 

尚、

今回、誤答とした「寡黙目で初級者のCへ投票する」という選択をした場合は、

最終日の生存者は「A」「D」「あなた」となり、

上図の通り、Aを吊るすことが厳しい盤面となります。

「あなた」噛みの場合、「C」噛みの場合の分岐は後述します。

 

しかし、

「あなた」がDに対して投票を行った場合、

Aが「B」「C」「あなた」のいずれの位置を噛んだ場合においても、

「A」を吊るせる可能性を残すことができます。

 

 

念のため、

以下にDを吊るしたあとの盤面についての整理しておきます。

 

◆D吊り→B噛みの場合
  • A(2票):→Cまたは「あなた」
  • C(0~1票):→A
  • あなた(0~1票):→A

上図は「D吊り→B噛み」が発生した場合に、推測される各プレイヤーの投票先です。

 

あなたと「C」はどちらも進行理解を重視しているプレイヤーであるため、

相性が良く、A吊りがしやすい盤面となりますね。

・Aの投票先はC>D=B

・Cの投票先はD>A>B

あなたはBと役割が被るポジションにいるため、C目線ではA>「あなた」となる。

 

 

◆D吊り→C噛みの場合
  • A(2票):→Bまたは「あなた」
  • B(0~1票):→A
  • あなた(0~1票):→A

あなたとBも進行理解を重視するプレイヤーであるため相性が良く、

この盤面においても、A吊りがしやすい有利な状況であると言えるでしょう。

Bの投票先はD>A≧C、B視点では「あなた」の吊り優先度は最下位と推測できる。

・初級者以上である。

・村目価値の相性も同じであり相性が良い。 

 →この2つの条件にて、B目線のGSはD>A≧C>「あなた」と推測ができる。

 

 

◆D吊り→「あなた」噛みの場合
  • A(1~2票)→BまたはC
  • B(0~1票)→A
  • C(0~1票)→A

「B」と「C」は相性が良いので、

この場合でも「A」が吊りやすい盤面になる言えます。

・Aの投票先はC>D=B

・Bの投票先はD>A≧C

・Cの投票先はD>A>B

 

 

村人理論を越える立ち回りが「ジーニアス」である。

今回の例題において誤答とした

基本的な”村人理論”を採用する場合、

 

  • 「素直に狼目へ投票する」(A投票)
  • 「寡黙目へ投票する」(C投票)

 

といった立ち回りは、

自分が狼目で見ているAを吊ることに繋がるとは言えず

かえって、A吊りが困難になってしまう可能性が高いと述べました。

 

このような盤面でジーニアスは、

基礎的な村人の考え方から外れた、「D吊り」という選択肢を採用することで、

本来、掴むことが厳しい勝利を掴み取るわけです。

 

 

したがって、ジーニアスとは

従来の「村人はこうある”べき”」という理論に縛られることなく、

自分自身の先読み力を発揮し、

自分が勝利できる盤面を手繰り寄せることができるスタイルであるとも言えます。

 

 

ジーニアス」の前提となるのは「ログ読み」。

ジーニアス」のプレイを再現するためには、

「ログ読みの深さ」が前提条件になります。

 

参加者の未来の投票や考察を、

予想し、的中させるためには、深いログ読みが必要となるためです。

当たり前ですね。

 

 

 

以下雑記。

続きを読む

11Aにおける真狼-真狂は本当に狼有利?

こんにちは、Sirです。

 

『進行論は平均勝率で議論できない』という前回の記事に引き続き、

今回はその応用編(?)として、11Aの陣形に纏わるお話になります。

 

巷では、「真狼-真狂こそが最も狼有利な陣形である」と言われますが、

この議論に関しても、

”陣形は平均勝率では議論しきれない”という観点が抜けていると感じています。

 

今回は、前回に引き続き、

陣形を考える際に抜け落ちやすい視点について理解を深めるため、

「11Aにおける真狼-真狂陣形は本当に強いのか?」というテーマで記事を書きました。

 

11Aにおける真狼-真狂はそんなに強いのか?

結論から言ってしまうと、

「真狼-真狂は狼が”信用勝負を選んだときだけ”狼有利」ということになります。

 

まずは、以下の図表に沿って考えていきましょう。

 

人狼が「占即抜き」または「占信用勝負」を選んだ場合に盤面に影響する要素。

  占即抜き 占信用勝負
真狂-真

狩人の護衛先は3択となる(2占+1霊+α)ので、他陣形と比べて真占い師を噛みが成功する確率は高い。
・占い真視に自信があるならば、真占抜き後のケア吊りを懸念する必要がないため、盤面は狼有利となりやすい。

・いずれの場合もグレランの縄回避が必要となる。

・基本的には狂人の実力勝負になる。

・狩人の護衛先は「2占-1霊」の3択に偏るため灰GJ発生のリスクは比較的小さい。

・真狼-真狂と比べると、最短1縄で占決め打ち盤面に持っていくことができる。

真狼-真

狩人の護衛先は3択となる(2占+1霊+α)ので、他陣形と比べて真占い師を噛みが成功する確率は高い。
・占い真視に自信がない場合、初日に占真目を獲得するのが得意な場合などは、偽占噛みが発生しにくくなるため有効。

・いずれの場合もグレランの縄回避が必要となる。

・基本的には人狼の実力勝負になる。

・狩人の護衛先は「2占-1霊」の3択偏るためGJ発生のリスクは比較的小さい。

・灰を噛む際に、狂人が噛みで死ぬ可能性がある(狂が噛みで死んだ場合:狼目線の縄余裕-1)

・真狼-真狂と比べると、最短1縄で占決め打ち盤面に持っていくことができる。

真狼-真狂

狩人の護衛先は2択(2占+α)なので真占い師を噛める可能性は2-1陣形と比べて低くなる。
・即抜き勝負を仕掛けるのならば2-1陣形の方が狼は楽に戦える。

・2-1陣形と比べてグレランでの縄回避が不要となる。

・真狼-真狂陣形において、占噛みの損を狩人が低く見積もった場合に灰GJを狙われる可能性がある。これは人狼目線で脅威となりやすい。

・2-1陣形と比べて、占決め打ち盤面に持っていくために2縄必要となるため、占結果の情報量が増えること、噛みによるGJ発生の可能性は高くなることは、デメリットとなる。

・進行役が不在/進行役を狼側によってある程度決めることができるので、信用勝負においてはこの陣形が有利を取りやすい。

 

色文字にした部分に注目して見れば理解しやすいのですが、

 

基本的には、

「狩人護衛択」「進行役の有無」の2因子が盤面に対して強い影響を与えるため、

各噛み手を選択した場合の陣形優劣は以下のようになると言うことができます。

 

即抜きをする場合:「真狂-真」「真狼-真」>「真狼-真狂」

信用勝負をする場合:「真狼-真狂」>「真狂-真」「真狼-真」(→※)

 

 

このように陣形の有利↔不利というのは、

「狼陣営が選んだ戦い方」によっても変化を受けるものであり、

陣形の優劣は、この前提条件によって大きく変化するであると言えます。

 

今回の場合においては、

例えば、狼側が即抜き勝負を選択するのであれば、

「真狼-真狂」よりも「真狂-真」のほうが、

狩人の読み合い択が1減る分、

狼陣営が戦いやすい形にであると言うことができます。

 

つまり、真狼-真狂が”常に最善の陣形である”とは言い切れない訳ですね。

 

 

当たり前の話ではある一方、

意外と抜け落ちやすい観点でもあるので、

陣形を考える際は、

「どのような場合に有効となるのか」も同時に考えるようにしたいものです。

 

今回はこのようなお話でした。

 

(※→)当然ではありますが、

・グレランによる票先や占結果の数
日数が増えることによる総文章量の蓄積
・GJの発生確率とその影響度

といった諸要素も盤面形勢には絡みますが、今回は話を分かりやすくするために省くものとしました。

練習問題②-「11A狩人GJ後の進行」

問題

◆CO状況(5d昼)

参加者:①②③④⑤⑥⑦⑧⑨⑩+初日犠牲者(配役:11A)

占いCO:➀→➂白 ⑤白 ⑦白 ⑥黒

占いCO:②→④白 ⑥白 3d昼吊り

狩人CO:④→①GJ主張 3d昼CO→3d夜噛み

 

吊り:⑩→②→⑧

噛み:初日犠牲者(霊欠け)→GJ→④→➂

生存者:①⑤⑥⑦⑨

 

あなたは村人の⑤です。

以下の条件の下、あなた目線での最適進行を提示してください。

  • 占いCO者の➀については偽真で考えている。
    (”偽目だが真の可能性も視野に入れている”という解釈を行ってください。)
  • 最終日の村騙りは可。
  • 解答は一択とは限らないものとします。

 

解答

合格点:⑦または⑨吊り

模範解答:厳密には⑨吊りのほうが望ましい。

⑥吊りは✖

 

解説

難易度:★★★☆☆(中級者程度)

基本的な視点整理のみで合格点は取ることができるが、

模範解答はもう一段階上の視点整理が必要となる。

⑥吊りからの村狼騙りが悪手になる点など、進行観にも注意しなければならない問題。

 

合格点まで。

霊能欠けのため、占CO者のどちらかに真が必ずいる状態である。

 

占いCO者の➀を偽≧真で考えているため、

占いCO者の②の白である⑥は吊りの対象とならない。

 

狩人CO④が➀でGJを出しているため、➀は真狂=狼否定となる。

そのため➀も吊りの対象とはならない。

 

以上の点により、

実質的な吊り択は、自分自身である⑤を除き、

占いCO②目線灰の「⑦または⑨」となる。

 

模範解答まで。

ここで、現在5人日の時点でPPが発生していないことから、次の内訳が考えられる。

  • 占いCO➀が真の場合:1W生存時⑥狼、2W生存時⑥狼。
  • 占いCO②が真の場合:1W生存時⑦または狼、2W生存時は既にPPとなる。

 

占いCO➀が真かつ1W生存の場合(狼=⑥)は、

縄余裕があるため、現時点で考慮する必要はない。

 

現時点で考慮するべきは、

占いCO➀が真で2W生存している場合(狼=⑥)と

占いCO②が真で1W生存している場合(狼=⑦)の2パターンである。

 

占いCO者の➀を偽≧真と考えているため(=”偽目だか真も視野に入れている”なので)

いずれの場合もケアすることのできる「⑨吊り」が厳密には望ましいと言える。

今回、ここは個人差が大きい部分なので、

”偽目は偽目だから、占いCO➀が偽前提の進行を採用する”と判断し、

⑦⑨どちらの吊りでも変化はしないと回答するのも合格点としました。

 

⑥吊りは不可。

⑥吊りを行い、占➀が偽の場合に村が狼騙りをする展開については、

  • 進行の主導権が村陣営ではなく狼陣営(狂人)に寄る点でやや村不利。(→※)
  • 投票先による噛み予告が有効になる場合がある。

このような点で悪手となるため、✖としました。

 

(→※)

占いCO➀を真で見ている場合は翌日の吊りで間に合うので、

⑥吊りは、基本的に占➀を偽で見る目的の吊りとなるが・・・

 

占➀が偽の場合に取れる打ち手は吊りの2つになる。

  • ⑦⑨吊り(主導権:)→PP(占➀が偽なので片白⑥を残す噛みで村負け)
  • ⑥吊り(主導権:—)→村騙りで狼吊りを期待する(主導権:

主導権の位置が⑦⑨吊りから入った方が村側に寄るため、⑥吊りのメリットは薄い。

 

進行論は勝率で議論してはいけない。

こんにちは、白です。

人狼ゲームをしていると、しばしば進行論の議論で熱くなることもあると思いますが、

その議論の進め方に一石を投じたかったのでこの記事を書きました。

 

進行議論の正しい組み立て方について。

「平均勝率で考える」現在の進行論の議論の組み立て方。

例図:12a猫の3-1盤面の進行による勝率変化(注:数値はでたらめな値です。)

 

現在よく見られる進行に関する議論の基準は、

「平均勝率が高い進行が正しい」というものです。

 

例えば、この種類の話の有名な所では「12a猫の3-1における進行」があります。

 

よく行われている議論では、

図のように、各進行の分岐やその発生率などを基に「平均の勝率」を算定することで、

各進行の優劣を決めるというやり方になります。

 

例えば、例図に基づいて言うのであれば、

『占いロラ、グレランよりもギドランの方が平均勝率が高いから正しらしい。』

という結論が形成されることになります。

現在の12a猫界隈でも、このように言う人が多いと思います。

 

一見すると、この議論の組み立て方は利に適っているように見えますが、

実は、この議論には致命的な欠陥があります。

 

次の章では、その欠陥が何であるのか指摘していこうと思います。

 

「進行が使えるタイミングを考える」本来あるべき進行論の議論の組み立て方。

例図2:12a猫の3-1盤面の進行による勝率分布(数値はでたらめな値です。)

 

私が考える、進行論議論のより良い組み立て方は、

「平均勝率」ではなく、

「勝率の分布がどのようになっているのか」を考えるやり方です。

 

例えば、

どのような状況のときに、その進行の期待勝率が最も高くなるのか考えるのも、

この方法の一つであると言えます。

 

具体例として、

例図2のような分布のときには、以下のことを考えます。

 

 

◆各進行が最も勝率が高くなるタイミングはいつなのか。

  • 【占いロラ】は、初日に人狼が吊れたときに最も勝率が上振れする。

 →占いCO者から狼を吊るせそうなときに、最も期待勝率が高くなる進行。

 

  • 【グレラン】は、3日目時点での情報量が最も多くなる。

 →初日に狼が吊れない場合は、最も村有利になる進行。

 

  • 【ギドラン】は、グレランより情報量は減るが、内訳整理がしやすい/初日猫狩吊りのリスクが減るという点で安定する。

 →初日に狼が吊れない場合かつ、村のPSに不安がある場合は最も安定する進行。

 

このように、

進行の平均勝率で、進行の優劣を決めてしまうだけではなく、

「この進行は、どのような時に使うのが最適なのか」を考えることが重要です。

 

 

既存の、平均勝率で進行の優劣を決めてしまうやり方では、

「その村に最も適した進行を採用することができない」

という罠に陥りやすく、この点が既存の議論方法による致命的な欠陥となります。

 

 

以上、

「この進行が最も良い」と鼻から決めてしまうのではなく、

「どのような時に進行が上振れ/下振れするのか」を考えることが、

進行論の議論を組み立てていく際には必要なのではないのか、というお話でした。

 

参考

参考例ですが、より詳細に当該進行について整理する場合は以下のようになります。

 

進行が上振れする

タイミング

進行が下振れする

タイミング

概評 どのような時に使える進行か。
占いロラ ・初日に人狼が吊れたとき
(上振れ度:大)
・初日に真占い師を吊ってしまったとき。
(下振れ度:大)
・上振れも下振れも大きいため安定感は低い。
・狂人が初日に吊れた場合は悪い展開ではない。
初日に占いCO者から人狼を吊るせる見込みがあるとき。
グレラン

・初日に占いCO者から人狼が吊れる見込みがない場合、
3日目時点での情報量が最多になる=この時点での村勝率が最も高くなる。
(上振れ度:中)

・初日に狩猫が死んでしまったとき(猫の道連れ先が村の場合。)

・3日目時点での情報を村が整理しきれず混乱を招いたとき。
(下振れ度:中)

・上振れも下振れも中程度。 初日に占いCO者から人狼を吊るせる見込みはないが、村のPSにある程度期待が持てるとき。
ギドラン

・初日に占いCO者から人狼が吊れる見込みがない場合、
かつ、以下の点をケアできたときに3日目時点で最適となる。
⓵初日に狩猫が死んでしまう可能性。
②3日目時点での情報を村が整理しきれず狼が勝つ可能性。
(上振れ度:小)

・占い決め打ちに失敗したとき。
(下振れ度:小)
・上振れも下振れも小さく安定感は大きい。 初日に占いCO者から人狼を吊るせる見込みがなく、かつ村のPSに不安を覚えるとき。

 

補足…ギドランは疑義事項があります。