11Aにおける真狼-真狂は本当に狼有利?

こんにちは、Sirです。

 

『進行論は平均勝率で議論できない』という前回の記事に引き続き、

今回はその応用編(?)として、11Aの陣形に纏わるお話になります。

 

巷では、「真狼-真狂こそが最も狼有利な陣形である」と言われますが、

この議論に関しても、

”陣形は平均勝率では議論しきれない”という観点が抜けていると感じています。

 

今回は、前回に引き続き、

陣形を考える際に抜け落ちやすい視点について理解を深めるため、

「11Aにおける真狼-真狂陣形は本当に強いのか?」というテーマで記事を書きました。

 

11Aにおける真狼-真狂はそんなに強いのか?

結論から言ってしまうと、

「真狼-真狂は狼が”信用勝負を選んだときだけ”狼有利」ということになります。

 

まずは、以下の図表に沿って考えていきましょう。

 

人狼が「占即抜き」または「占信用勝負」を選んだ場合に盤面に影響する要素。

  占即抜き 占信用勝負
真狂-真

狩人の護衛先は3択となる(2占+1霊+α)ので、他陣形と比べて真占い師を噛みが成功する確率は高い。
・占い真視に自信があるならば、真占抜き後のケア吊りを懸念する必要がないため、盤面は狼有利となりやすい。

・いずれの場合もグレランの縄回避が必要となる。

・基本的には狂人の実力勝負になる。

・狩人の護衛先は「2占-1霊」の3択に偏るため灰GJ発生のリスクは比較的小さい。

・真狼-真狂と比べると、最短1縄で占決め打ち盤面に持っていくことができる。

真狼-真

狩人の護衛先は3択となる(2占+1霊+α)ので、他陣形と比べて真占い師を噛みが成功する確率は高い。
・占い真視に自信がない場合、初日に占真目を獲得するのが得意な場合などは、偽占噛みが発生しにくくなるため有効。

・いずれの場合もグレランの縄回避が必要となる。

・基本的には人狼の実力勝負になる。

・狩人の護衛先は「2占-1霊」の3択偏るためGJ発生のリスクは比較的小さい。

・灰を噛む際に、狂人が噛みで死ぬ可能性がある(狂が噛みで死んだ場合:狼目線の縄余裕-1)

・真狼-真狂と比べると、最短1縄で占決め打ち盤面に持っていくことができる。

真狼-真狂

狩人の護衛先は2択(2占+α)なので真占い師を噛める可能性は2-1陣形と比べて低くなる。
・即抜き勝負を仕掛けるのならば2-1陣形の方が狼は楽に戦える。

・2-1陣形と比べてグレランでの縄回避が不要となる。

・真狼-真狂陣形において、占噛みの損を狩人が低く見積もった場合に灰GJを狙われる可能性がある。これは人狼目線で脅威となりやすい。

・2-1陣形と比べて、占決め打ち盤面に持っていくために2縄必要となるため、占結果の情報量が増えること、噛みによるGJ発生の可能性は高くなることは、デメリットとなる。

・進行役が不在/進行役を狼側によってある程度決めることができるので、信用勝負においてはこの陣形が有利を取りやすい。

 

色文字にした部分に注目して見れば理解しやすいのですが、

 

基本的には、

「狩人護衛択」「進行役の有無」の2因子が盤面に対して強い影響を与えるため、

各噛み手を選択した場合の陣形優劣は以下のようになると言うことができます。

 

即抜きをする場合:「真狂-真」「真狼-真」>「真狼-真狂」

信用勝負をする場合:「真狼-真狂」>「真狂-真」「真狼-真」(→※)

 

 

このように陣形の有利↔不利というのは、

「狼陣営が選んだ戦い方」によっても変化を受けるものであり、

陣形の優劣は、この前提条件によって大きく変化するであると言えます。

 

今回の場合においては、

例えば、狼側が即抜き勝負を選択するのであれば、

「真狼-真狂」よりも「真狂-真」のほうが、

狩人の読み合い択が1減る分、

狼陣営が戦いやすい形にであると言うことができます。

 

つまり、真狼-真狂が”常に最善の陣形である”とは言い切れない訳ですね。

 

 

当たり前の話ではある一方、

意外と抜け落ちやすい観点でもあるので、

陣形を考える際は、

「どのような場合に有効となるのか」も同時に考えるようにしたいものです。

 

今回はこのようなお話でした。

 

(※→)当然ではありますが、

・グレランによる票先や占結果の数
日数が増えることによる総文章量の蓄積
・GJの発生確率とその影響度

といった諸要素も盤面形勢には絡みますが、今回は話を分かりやすくするために省くものとしました。