奇数の猫決め打ちは遅らせるのが最適とは限らなかった。

こんにちは、Sirです。

今回は12a猫における決め打ちタイミングについて、応用編の記事となります。

 

 

猫の決め打ちタイミングのおさらい

まずは基礎の基礎、猫の決め打ちタイミングについておさらいをしていきましょう。

基本的に、以下の原則で決め打ち日を設定することが望ましいと考えられています。

 

  • 奇数の場合:できるだけ遅く猫決め打ち
  • 偶数の場合:できるだけ早く猫決め打ち

 

このようになる理由は、真猫吊りの場合の人外道連れ率が関係しています。

この点は他ブログ等にて解説されてる方がいますので、

今回は触れる程度にしておきます。

 

 

猫決め打ちタイミングをもっと考えてみる。

※以下、同数票は「再投票なし」「ランダム処刑」の条件にて確率を記述。

『村村猫狼狼』この5人盤面において猫が2人出た場合の進行を考えてみましょう。

 

進行役がいる場合。

◇『村猫狼狼』進行役がいる場合。

生存者:①②③④⑤

霊能CO:①

猫又CO:②③

村人CO:④⑤

 

この場合は単純ですね。

 

猫決め打ちから入る場合は、

真猫吊りの場合は即村負けとなるので、

村陣営の勝率は 1/2×1/2=1/4(25%)となります。

「1/2の猫決め打ち勝利×1/2の灰決め打ち勝利」の場合のみ村勝利。

 

灰決め打ちから入る場合は、3人日に猫決め打ちとなります。

3人日に猫決め打ちをした際に人狼が道連れとなる場合も村勝ちとなるので、

村陣営の勝率は、1/2×2/3=1/3(33.33%)となります。

 

 

これは生存人狼数が1の場合においても、

以下のようになるため、猫決め打ちを後回しにするのが最適になります。

  • 5人日に猫決め打ち→人狼道連れ率は1/4村道連れの場合は村敗北)
  • 3人日に猫決め打ち→人狼道連れ率は1/2

 

 

いずれの場合においても、

奇数で進行役がいる場合は、猫決め打ちは後回しにしたほうがであると言えます。

 

 

進行役がいない場合。

◇『村猫狼狼』進行役がいない場合。

生存者:①②③④⑤

猫又CO:②③

村人CO:①④⑤

 

この記事の本題となります。

まずは単純に5人日の吊り手順とその確率を整理してみましょう。

 

 

5人日に人狼が吊れる確率。

猫吊りから入る場合(身内票なし)

◇『村猫狼狼』進行役がいない場合。

生存者:①②③④⑤

猫又CO:②③

村人CO:①④⑤

 

村陣営:③④⑤

狼陣営:①②

 

猫決め打ちから入る場合は、②③のいずれかに投票するということになります。

まず、狼が身内票を投票しない場合、確定している投票先は以下の通りになります。

 

◇②③の猫決め打ちで確定している投票先(身内切り無し)

・②(狼)←➂ 1票

・➂(村)←➀② 2票

 

この日に狼を吊るためには、灰村の④⑤が➂に投票しなければいけません。

 

したがって、

5人日の猫決め打ちで人狼が吊れる確率(狼身内票なし)は、

1/2×1/2=1/4であると言うことができます。

④が狼騙り猫の②に投票する確率×⑤が狼騙り猫の②に投票する確率。

 

この日に人狼が処刑することができた場合は、

一真猫に投じた人物が人狼となるため、基本的には狼敗勢であると言えます。

猫吊りから入る場合の村勝率は、1/4(25%)であると言って差し支えないでしょう。

 

 

猫吊りから入る場合(身内票あり)

また、狼が身内票を投じる場合も考えてみましょう。

確定している投票先は以下の通りになります。

 

◇②③の猫決め打ちで確定している投票先(身内切りあり)

・②(狼)←➀➂ 2票

・➂(村)←② 1票

 

この日に狼が処刑されるためには、

②にあと1票入れば良いのですが、

②が1票のみ入った場合(計3票で処刑される場合)は、

真猫に唯一投票している灰村が狼目となり、村敗勢ということになります。

 

したがって、灰にいる村陣営は2人とも偽猫に投票する必要があります。

つまり、この場合のおおよその村勝率は、以下を乗算したものになります。

  • 5人日に灰村が2人とも偽猫に投票する確率 1/2×1/2=1/4
  • 3人日(灰狼+猫の盤面)にて、真猫が狼に投票する確率 1/2

 

すなわち、

5人日の猫決め打ち(狼身内票あり) → 灰決め打ちにおける村陣営の勝率は、

1/4×1/2=1/8(12.5%)であると言うことができます。

 

 

灰吊りから入る場合(身内票なし-組織票なし)

次に灰吊りから入る場合を考えていきましょう。

灰吊りから入る場合の票分岐は、以下の3通りとなります。

 

  • 身内票なし-組織票なし
  • 身内票なし-組織票あり
  • 身内票あり-組織票なし

 

まずは『身内票なし-組織票なし』の分岐から考えていきましょう。

◇➀④⑤の灰ランでの投票先(身内票なし-組織票なし)

猫又CO:②(狼)→④ …0票

猫又CO:➂(村)→➀or④or⑤ …0票

村人CO:➀(狼)→⑤ …0票

村人CO:④(村)→➀or⑤ …1票

村人CO:⑤(村)→➀or④ …1票

※右に書かれている票数は、暫定的に確定している票数のみカウント。

 

この盤面において、➀には2票以上の票が必要となります。

 

猫又の➂が➀に投票する場合は、3人日の猫決め打ちは村勝勢となります。

➂が➀に投票せず、村人の④⑤が➀に投票した場合は村狼均衡となります。

 

以上の条件を踏まえて、それぞれの分岐を考えてみましょう。

 

◇『身内票なし-組織票なし』の投票先分岐

投票先 勝敗(村勝率)
➀村CO-狼 ②-猫CO-狼 ➂-猫CO-村 ④村CO-村 ⑤村CO-村 同数票は「再投票なし」「ランダム処刑」とする。
村負け
1/2(票情報で3人日は村優勢)
1/2(票情報で3人日は村優勢)
狼吊り→村優勢
村負け
村負け
村負け
3人日の狼吊り率1/2×最終日の狼死亡率2/3=村勝率1/3
村負け
村負け
村負け
3人日の狼吊り率1/2×最終日の狼死亡率2/3=村勝率1/3
村負け
1/2(票情報で3人日は村優勢)
1/2(票情報で3人日は村優勢)
狼吊り→村優勢
村負け
村負け
村負け
3人日の狼吊り率1/2×最終日の狼死亡率2/3=村勝率1/3
村負け
村負け
村負け
3人日の狼吊り率1/2×最終日の狼死亡率2/3=村勝率1/3

 

以上の図表を踏まえて、

『身内票なし-組織票なし』分岐における村勝率は以下のように求められます。

 

◇『身内票なし-組織票なし』分岐における村勝率

  村勝率加算
(発生率×勝率)
村負分岐 14 0%
1/2分岐 4 8.33%
1/3分岐 4 5.56%
村勝分岐 2 8.33%
合計 24 22.22%

 

『身内票なし-組織票なし』分岐における村勝率は、

約22.22%であると言うことができます。

 

 

灰吊りから入る場合(身内票なし-組織票あり)

◇➀④⑤の灰ランでの投票先(身内票なし-組織票あり)

猫又CO:②(狼)→④ …0票

猫又CO:➂(村)→➀or④or⑤ …0票

村人CO:➀(狼)→④ …0票

村人CO:④(村)→➀or⑤ …2票

村人CO:⑤(村)→➀or④ …0票

※右に書かれている票数は、暫定的に確定している票数のみカウント。

 

次は狼陣営が組織票を行う場合の分岐になります。

この場合は、村陣営は➀に対して2票以上の票を集める必要があります。

 

分岐は以下の通りとなります。

 

◇『身内票なし-組織票あり』の投票先分岐

投票先 勝敗(村勝率)
➀村CO-狼 ②-猫CO-狼 ➂-猫CO-村 ④村CO-村 ⑤村CO-村 同数票は「再投票なし」「ランダム処刑」とする。
村負け
村負け
村負け
狼吊り→村優勢
村負け
村負け
村負け
村負け
村負け
村負け
村負け
3人日の狼吊り率1/2×最終日の狼死亡率2/3=村勝率1/3
村負け
村負け
村負け
狼吊り→村優勢
村負け
村負け
村負け
3人日の狼吊り率1/2×最終日の狼死亡率2/3=村勝率1/3
村負け
村負け
村負け
村負け

 

以上の図表を前段と同様踏まえると、

『身内票なし-組織票あり』分岐における村勝率は以下のように求められます。

 

◇『身内票なし-組織票あり』分岐における村勝率

  村勝率加算
(発生率×勝率)
村負分岐 20 0%
1/3分岐 2 2.78%
村勝分岐 2 8.33%
合計 24 11.11%

 

『身内票なし-組織票あり』分岐における村勝率は、

約11.11%であると言うことができます。

 

灰吊りから入る場合(身内票あり-組織票なし)

◇➀④⑤の灰ランでの投票先(身内票あり-組織票なし)

猫又CO:②(狼)→➀ …0票

猫又CO:➂(村)→➀or④or⑤ …0票

村人CO:➀(狼)→④ …1票

村人CO:④(村)→➀or⑤ …1票

村人CO:⑤(村)→➀or④ …0票

※右に書かれている票数は、暫定的に確定している票数のみカウント。

 

この場合は、単純に狼が処刑されれば良いだけではなく、

猫又の➂が➀に投票できていなければ、票情報にて決め打ち不利となります。

3人日に決め打ち負けする場合の村勝率は猫の狼道連れがあるため、1/2となります。

 

以上を踏まえた投票分岐は以下の通りとなります。

 

◇『身内票あり-組織票なし』の投票先分岐

投票先 勝敗(村勝率)
➀村CO-狼 ②-猫CO-狼 ➂-猫CO-村 ④村CO-村 ⑤村CO-村 同数票は「再投票なし」「ランダム処刑」とする。
1/2で狼吊りで狼吊りとなる。
3人日の狼吊り率1/2×最終日の狼死亡率2/3=村勝率1/3
狼吊り→猫決め打ち。
最終日の狼死亡率(村勝率)2/3
狼吊り→猫決め打ち。
最終日の狼死亡率(村勝率)2/3
狼吊り→猫決め打ち。
最終日の狼死亡率(村勝率)2/3
村負け
村負け
1/2で狼吊りとなるが狼吊りの場合でも票情報によって村(猫)劣勢。
3人日の狼吊り率1/2×最終日の猫狼道連れ率1/2=村勝率1/4
狼吊りとなるが狼吊りの場合でも票情報によって村(猫)劣勢。
最終日の猫→狼道連れ率(村勝率)1/2
村負け
1/2で狼吊りとなるが狼吊りの場合でも票情報によって村(猫)劣勢。
3人日の狼吊り率1/2×最終日の猫狼道連れ率1/2=村勝率1/4
1/2で狼吊りとなるが狼吊りの場合でも票情報によって村(猫)劣勢。
3人日の狼吊り率1/2×最終日の猫狼道連れ率1/2=村勝率1/4
狼吊りとなるが狼吊りの場合でも票情報によって村(猫)劣勢。
最終日の猫→狼道連れ率(村勝率)1/2
1/2で狼吊りで狼吊りとなる。
3人日の狼吊り率1/2×最終日の狼死亡率2/3=村勝率1/3
狼吊り→猫決め打ち。
最終日の狼死亡率(村勝率)2/3
狼吊り→猫決め打ち。
最終日の狼死亡率(村勝率)2/3
狼吊り→猫決め打ち。
最終日の狼死亡率(村勝率)2/3
村負け
1/2で狼吊りとなるが狼吊りの場合でも票情報によって村(猫)劣勢。
3人日の狼吊り率1/2×最終日の猫狼道連れ率1/2=村勝率1/4
1/2で狼吊りとなるが狼吊りの場合でも票情報によって村(猫)劣勢。
3人日の狼吊り率1/2×最終日の猫狼道連れ率1/2=村勝率1/4
狼吊りとなるが狼吊りの場合でも票情報によって村(猫)劣勢。
最終日の猫→狼道連れ率(村勝率)1/2
村負け
1/2で狼吊りとなるが狼吊りの場合でも票情報によって村(猫)劣勢。
3人日の狼吊り率1/2×最終日の猫狼道連れ率1/2=村勝率1/4
村負け
狼吊りとなるが狼吊りの場合でも票情報によって村(猫)劣勢。
最終日の猫→狼道連れ率(村勝率)1/2

 

以上の図表を前段と同様踏まえ、

『身内票あり-組織票なし』分岐における村勝率は以下のように求められます。

 

◇『身内票なし-組織票あり』分岐における村勝率

  村勝率加算
(発生率×勝率)
村負分岐 6 0%
1/2分岐 4 8.33%
1/3分岐 2 2.78%
2/3分岐 6 16.67%
1/4分岐 6 6.25%
合計 24 34.03%

 

『身内票あり-組織票なし』分岐における村勝率は、

約34.04%であると言うことができます。

 

 

【確率まとめ】猫決め打ちは必ずしも遅くするのが最適な訳ではない。

以下に、これまでの確率についてまとめておきます。

※「再投票なし」の場合の確率計算となっています。

 

  • 猫吊りから入る場合(身内票なし)1/4(25%)
  • 猫吊りから入る場合(身内票あり)1/8(12.5%)
  • 灰吊りから入る場合(身内票なし-組織票なし)約22.22%
  • 灰吊りから入る場合(身内票なし-組織票あり)約11.11%
  • 灰吊りから入る場合(身内票あり-組織票なし)約34.04%

 

狼が投票最適を選択した場合は、

5人日猫決め打ちのほうが僅かに村有利と言うことができますね。

これは従来の「猫決め打ちは遅いほうが良い」という理論の例外と言えます。

 

ただし注意点として、

「何W生存していると考えるか?」が点は進行選択の分岐点となります。

 

これは「灰灰灰猫猫」の5人盤面で人狼の生存数が1の場合は、

当然、猫決め打ちは遅いほうが真猫又吊りの際の人外道連れ率が高くなるからです。

 

人狼が投票最適を選択する場合は、

人狼の生存数が2だと考えられるのであれば猫決め打ち、

人狼の生存数が1だと考えられるのであれば灰吊り、

という結論を出すことができるのではないでしょうか。

 

 

【結論】狼が「村を頓死に追い詰める手」が存在する。

ここまで確率をまとめてきましたが、

実はこの盤面、狼が村を頓死に導く手筋が存在しています。

 

この盤面の結論は、

村に見落とされやすい頓死筋があり、

更に、これに嵌らず村が正しい進行を採ったとしても狼勝勢である、と言えます。

 

かの12a猫の王と言えばこの方、

Nulさんによって、この盤面で狼が村を詰めれる頓死筋の解説が行われています。

かつては長期人狼王の称号も獲得していた程の実力者です。

 

こちらの棋力判定問題集のNo.31~35の解説編にて、

今回の記事に関連した問題・解答が収録されています。

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こちらの棋力判定問題集では、

12a猫に関する丁寧な解説が行われており、

初心者から上級者まで、一度は必ず読んでおきたい問題集であると言えます。

 

問題集の特徴として言えるのは、その「網羅性の高さ」と言えるでしょう。

この問題集1つで、a猫に関する手筋ほとんどの「答え」が網羅されています。

 

費用対効果の観点からも、値段以上の価値があることには間違いないでしょう。

 

ちなみにですが、解答編40問のマガジン購入(セット購入)の場合は1800円です。

この先10時間以上人狼をするのであれば、1時間あたり180円以下の課金という計算になります。

この先10時間以上、ゲーム中に「答え」を知っていられるというバフが得られると考えるのであれば、

中高生のお財布事情からしても、悪くはない買い物だと言えるのではないでしょうか。

 

今回の盤面に関する手筋に関する解説も収録されてますので、

この手筋について興味がある方はぜひ購入し、確認してみてくださいね。